隔離病室 1日目
12/28(水)
紹介状を書いてもらった地元の病院に行く。診察券のない人は、遅くとも15分前に来てくれとのことだったので、早めに家を出た。初回なので色々検査があると踏んで、会社は一日休みを入れておいた。午後には出社できると思っていた。
地元の病院
三年前に引っ越してきたこの街。ジョギングしていることもあり、いろいろな所を知っているつもりだったが、全く存在を知らなかった。呼吸器内科の場所を案内されて待っていると、レントゲンを撮って戻ってくるように言われた。
診察室に行くと、クリニックでどういう診断結果だったかを聞かれた。そういうことは紹介状に書いてあるものだと思っていたのだが、定型の文章が書いてあるだけなのか?既往症の有無等を含めて一通り説明した。「結核性にしても、そうでないにしても、今すぐ入院する必要がある」と言われた。
仕事納めはまだだったが、緊急性のものはなかったから、そちらはいい。冬休みが少し早まっただけだ。それでも準備のための外出や外泊くらいできると思っていた。
「差額ベッド代がかかるかもしれないが大丈夫か」とも聞かれた。これも今すぐ入院する必要があるというなら仕方ない。
入院の準備
この病気を治すのに、入院が全く不要だと思っていたわけではない。ただ、準備もなく入院するはめになるとは。入院するには、血液検査を含め、いくつか検査をする必要があるとのことで、診察室を出ていくつか検査をしてもらった。
- 血液検査
- 腹部レントゲン
- 心電図
- 身長・体重
その後、診察室に戻ると、病室の確保ができたから入院の事務手続きをしてくれと言われた。隔離となった場合、差額ベッド代は不要だと思うとも言われた。
隔離病室へ
事務では、特別療養環境室(差額ベッド)入室申込書にサインした。1日18,000円は安くないと思うけど仕方ない。差額ベッドというのは、希望した人だけ入るものだと思っていたが…
個人情報保護や高額療養費制度の説明を受けて、病室へと案内された。個室なのは分かっていたが、どうもそこから一歩も出れないらしい。これは予想していなかった。持っている年賀状くらいは、病棟内に恐らくあるであろうポストに入れられると思っていたし、半日くらい抜け出して、図書館の本を返したり、経費精算したり、仕事に必要なPCなどを取りに行くくらいできると思っていたのだ。詳しくは、主治医に聞いてくれとのこと。そして、まだ誰が主治医になるかは決まっていないとのことだった。
排菌の疑い
主治医の先生から説明を受けた。
- 胸膜炎の原因がわからない
- 結核の場合、排菌していないことを確認するために、痰の検査が最低三回必要
- 水を抜いて検査することもできるが、難しい所に溜まっている
- それまでは隔離病棟から一歩も出られない
- 通常だと、今年は12/28、12/29の二回しかできない
- 1/2にも特別にお願いしたので、最短でその日に隔離解除
- 最低でも二週間の入院になるだろう
何だかとんでもないことになってきた。自覚症状もないまま、初めて来た病院で年を越すことになるとは。逐次、メールで連絡はしていたが、13:16に妻に電話した。とりあえず
を持ってきてもらうことにした。
スマホ
どうも昼食はないらしいが、夕食は早そうだし、それほどお腹も空いていないので、看護士さんの手を煩わせる必要もない。抗生物質の点滴が終わった後はやることもないので、まずは手持ちの本を読むことにした。読みかけだったので、すぐ終わってしまった。
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15年前の入院と違うのは、スマホがあること。部屋からは出れないが、ニュースは読めるし、電子書籍も買える。実のところ、購入ずみで未読のものも多い。
会社からは経費精算の締め切りの連絡がメールで届いていた。数時間前までは、ちょっとくらい抜け出せると思っていたけど、あきらめて「入院したので来年で」と担当者にメールで連絡を入れる。
先日、一日社外に出てスマホだけで過ごした際に、バッテリーが心もとなく、携帯していた貰い物のモバイルバッテリーも今一つ頼りなく、すぐにネットで購入していた。今回も持ち歩いていて助かった。
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子どもが「ベイブレード」に嵌まっていて、12/28発売のものをクリスマスプレゼントの一部として頼まれていた。会社帰りに買いに行くつもりだったのに。ネットで探したが、どこも売り切れだった。
ベイブレード バースト B-66 スターター ロストロンギヌス.N.Sp
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結核
「結核 病院」とか「結核 原因」とかで検索して、いろいろ読んだ。考えたこともなかったが、本当に結核で排菌していたら、正月どころじゃない。仕事だって続けられるか分からない、家族にも大変な迷惑をかけることになる、と心配になった。それでも原因にも症状にも思い当たるものがない。
大学の時の知人に結核の人がいた。偶然にも、最近その人が今も元気であることを知る機会に恵まれ、その名前を身近なものとして思い出してはいた。今では治らない病気ではないという理解だったが、それでも治療せずに放置すると五割は死に至るとは恐ろしい。だから、排菌している可能性があるからには隔離が必要なのだ。でも排菌していたら、この病院では治療できないんだろうな。
排菌していると診断された場合、どこで排菌している人から感染したことになるし、今まで誰かに感染させてしまったかもしれないということ。なるほど迷惑な病気だ。他にも迷惑なことは世の中に無数にあるのだが…
入院契約書
妻が来てくれて、頼んだものも持ってきてくれた。看護師さんからもらった、たいそうなマスクを着用していた。「今朝まで普通に生活してたのに」と一緒に笑った。
入院にあたり、入院契約書に署名捺印して、すぐに提出する必要がある。窓口では、本人が提出するようなことを言っていたが、そもそもこの部屋から出られないので、妻に提出してもらう必要がある。今日明日に出してもらうよう頼んだ。
家事も子どもの世話も年末年始の準備も全て妻に任せることになってしまい申し訳ない。年始にちょっとした旅行を予定していたが、それもキャンセルしてもらった。
突然のことで子どもたちはびっくりしているらしいが当然だ。大人もびっくりしている。
寝巻きに着替えると、やっとこの部屋の住人らしくなった。
痰が出ない
痰の検査をするためには、痰を出す必要があるのだが、これが出ない。クリニックの薬がまだ効いているせいか、咳も出ないし、その原因となる痰も出ない。最後の手段として吸引することになるらしいが、これが痛いらしく、看護師さんが気を遣ってくれて、ネブライザーで出やすくしてくれた。
無事に痰も出て、22時消灯で寝た。